赤ちゃんの脳を育てる音楽の話し、聞いたこと、ありませんか?
いわゆる「モーツァルト効果」
本当なのでしょうか?
「音楽の科学」 という本があります。
ネイチャーの編集顧問であるフィリップ・ボール氏が書いたもので、
その第九章 「音楽を聴くと、脳はどう活動するのか?」 の中で
「モーツァルト効果」 について述べています
まとめてみました。
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モーツァルトが脳に良いという話しが、広く知られるようになったのは、
そもそもそのネイチャー誌に掲載された短い論文にはじまるとのことです。
それはカリフォルニア大学の研究チームが学生を対象に行った実験。
まず学生を三つのグループに分け、ひとつにはモーツァルトの 「二台のピアノのためのソナタ」を十分間、聴かせる。
もうひとつのグループには、いわゆる「リラクゼーションテープ」を聴かせる。
最後のグループには何も聴かせなかった。
その後、三つのグループすべてに空間把握能力のテストを受けてもらった。
( 一枚の紙を指示通りに折った後で、一隅を切り取った場合にどういう形になるか? といったような三つのテスト )
そもそもそのネイチャー誌に掲載された短い論文にはじまるとのことです。
それはカリフォルニア大学の研究チームが学生を対象に行った実験。
まず学生を三つのグループに分け、ひとつにはモーツァルトの 「二台のピアノのためのソナタ」を十分間、聴かせる。
もうひとつのグループには、いわゆる「リラクゼーションテープ」を聴かせる。
最後のグループには何も聴かせなかった。
その後、三つのグループすべてに空間把握能力のテストを受けてもらった。
( 一枚の紙を指示通りに折った後で、一隅を切り取った場合にどういう形になるか? といったような三つのテスト )
すると、モーツァルトを聴いたグループの成績が、ほかのグループに比べて若干良かった。
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というのですが。
ただこの実験で効果が出たのは初回だけ、二回目以降、三回目は明らかに効果が薄れたとのことです。
ただこの実験で効果が出たのは初回だけ、二回目以降、三回目は明らかに効果が薄れたとのことです。
しかもこの実験は、ベートーヴェンやビートルズとの比較もなく、使われたリラクゼーションテープは、いかにもあたまの働きが鈍くなる退屈なものであったとのことです。
しかし、この小さな論文の反響は大きく、その後、検証のための実験が多数行われました。
その結果としては、知性の向上が認められたという報告もあれば、認められなかった報告もある。
なかでも興味深い実験は、8,000人のイギリスの子供を対象に実施されたテストで、これによればモーツァルトによる知性の向上は見られなかったとのことです。
また一方、カナダでの実験では、被験者を三つのグループに分け、
第一のグループにはモーツァルトを聴かせる。
また一方、カナダでの実験では、被験者を三つのグループに分け、
第一のグループにはモーツァルトを聴かせる。
第二のグループにはシューベルトを聴かせる。
第三のグループには何も聴かせなかった。
すると、モーツァルト、シューベルトの両グループで、成績の向上が見られた。
ただし音楽ではなく 「物語」 を読み聞かせてテストを受けてもらった被験者も、モーツァルトやシューベルト同様に、成績の向上が認められた。
そうかと思えば、ある別な実験では、演劇をした後でも成績の向上が認められている。
そうかと思えば、ある別な実験では、演劇をした後でも成績の向上が認められている。
この実験の興味深いところは、
モーツァルトと物語のどちらが好きかを被験者に尋ねている点で、
モーツァルトが好きだと答えているひとは、
モーツァルトを聴いて成績が上がり、
物語が好きなひとは物語を聞いて成績が上がっているとのことです。
モーツァルトと物語のどちらが好きかを被験者に尋ねている点で、
モーツァルトが好きだと答えているひとは、
モーツァルトを聴いて成績が上がり、
物語が好きなひとは物語を聞いて成績が上がっているとのことです。
そこでひとつの結論。
「モーツァルト効果」 が起きるのは、
視聴覚刺激によって覚醒レベルがあがり気分が高揚するからではなく、
自分にとって興味の持てるもの、明るく楽しい気分になれるものが重要ではないか。
視聴覚刺激によって覚醒レベルがあがり気分が高揚するからではなく、
自分にとって興味の持てるもの、明るく楽しい気分になれるものが重要ではないか。
実際、悲しげな曲を聴いた後は、何も聴かなかった場合よりもテストの成績が悪化するという結果も得られている。
また、たとえハードロックでも、それが興味のもてる音楽ならば、「モーツァルト効果」 が生じる。
読書でも演劇でも、それが好きならば、というわけです。
読書でも演劇でも、それが好きならば、というわけです。
ただし、それらがすべて脳におなじ働きかけをするというのではないようです。
音楽には、やはり固有の力があるとのこと。
ボール氏は続けます。
「 ひとが音楽を聴いているときのMRIでの脳の活動を調べてみると、おおざっぱな言い方をすれば、音楽を聴く際には、脳のあらゆる部位が一斉に活動しているようにも見える。
運動中枢や感情中枢、言語にかかわる領域などが同時に機能する。
左脳と右脳間の連絡も盛んに起こる。
脳内のこれほど多くの部位が同時に処理に係るものは、音楽以外には見当たらない。
おそらく 『音楽を聴くと頭が良くなる』 というような単純な話ではないだろうが、
これだけ脳が活発にはたらいて影響がないと考える方が難しい。
これだけ脳が活発にはたらいて影響がないと考える方が難しい。
きっと音楽は、脳にとってスポーツのようなものなのだ 」
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知性の向上とは、実生活では一体なにを意味するのでしょう。
この本の著者も、それは単純な話ではない、と言います。
「わたしは音楽のようにものを考える。音楽から人生のほとんどの喜びを得ている」
とは、アインシュタインの言葉です。
ちかごろ歩けるようになったわたしの一歳の息子も、楽しい童謡には手をたたいたり、腰をふったり、とても楽しそうです。
フィリップ・ボール氏は、世界最高の科学ライターらしからぬ曖昧な言葉で、
しかし、行為それ自体を楽しむ音楽愛好家としてはもっとも相応しい表現で、
この章を締めくくっています。
しかし、行為それ自体を楽しむ音楽愛好家としてはもっとも相応しい表現で、
この章を締めくくっています。
「モーツァルト効果などには関係なく、赤ちゃんにもどんどん音楽を聴かせればいい。
ビートルズの 『リボルバー』 でもトランシルヴァニア地方の音楽でもなんでもかまわない。
それはきっと何かのかたちで役立つに違いない」
CHIRON Inc. 荒井
ビートルズの 『リボルバー』 でもトランシルヴァニア地方の音楽でもなんでもかまわない。
それはきっと何かのかたちで役立つに違いない」
CHIRON Inc. 荒井
CHIRON Inc. 荒井