ご質問でもっとも多いものが、
「ホスファチジルセリンとは、どのようなものか?」
というものです。
そこでサプリメントマニアより(弊社より)
ホスファチジルセリンについて、ご説明申し上げます。
ホスファチジルセリンは、細胞膜を構成するリン脂質のひとつです。
「ホスファチジルセリンとは、どのようなものか?」
というものです。
そこでサプリメントマニアより(弊社より)
ホスファチジルセリンについて、ご説明申し上げます。
ホスファチジルセリンは、細胞膜を構成するリン脂質のひとつです。
人間の細胞はすべてこの脂質を含んでおります。
また、生存に必要な機能は、このホスファチジルセリンに頼っていると言うことができます。
また、生存に必要な機能は、このホスファチジルセリンに頼っていると言うことができます。
具体的には
・生命活動のエネルギーの産生 (ATP産生)
・生命機能を保つためのイオンのホメオスタシス機能
・細胞レベルでの活性化や不活性化
にホスファチジルセリンが必要です。
にホスファチジルセリンが必要です。
ホスファチジルセリンは、とくに、ニューロンやシナプスの膜に多く存在します。[1]
アセチルコリンやドーパミン、ノルアドレナリンといった神経伝達物質の放出や、シグナル伝達に関与しています。[2,3,4,5]
ホスファチジルセリンの脳への有益性について、科学的な研究は、次の効果を報告しています。
・記憶力の改善作用
・神経保護作用
・抗ストレス作用
・抗うつ作用
では、実際の研究論文をご紹介してみます。
平均年齢20.4歳の健常人を対象にしたイチョウ葉エキスとホスファチジルセリンとの組み合わせを調査したものです。
実験を行った組み合わせは、次の三つです。
1) イチョウ葉エキス120㎎ を単体で摂取した場合。
2) イチョウ葉エキス120㎎ とホスファチジルセリン (PS) 360㎎ を同時に摂取した場合。
3) イチョウ葉エキス120㎎ とホスファチジルコリン (PC) 360㎎ を同時に摂取した場合。
その三パターンで、一定時間後に、
「注意力のスピード」
「注意力の正確性」
「記憶力のスピード」
「記憶の正確性」
「二次記憶」
「ワーキングメモリー」 を調べています。
結果
2) の イチョウ葉エキスとホスファチジルセリン の組み合わせが、もっとも効果の高い組み合わせであった。
・「注意力のスピード」 においては
イチョウ葉エキス単独の 1) と、
イチョウ葉エキスとホスファチジルコリンの 3) が、2.5時間後まで有意に速くなった。
イチョウ葉エキスとホスファチジルセリンの同時摂取 2) は、さらに、6時間後においても有意に速い。
イチョウ葉エキスとホスファチジルセリンの 2)は、注意力のスピードにおいて、相性が良いといえるようです。
・「注意力の正確性」 では
イチョウ葉エキスとホスファチジルセリン 2) の組み合わせに有意な改善がみられた。
・ 「記憶のスピード」 では
イチョウ葉エキスとホスファチジルコリン 3) が4時間後に逆に【遅くなった】が、
しかし、イチョウ葉エキスとホスファチジルセリン 2) は、
摂取1時間から6時間後のすべてで有意に改善した。[6]
脳のパフォーマンスのためには、ホスファチジルセリンとイチョウ葉エキスは、併せて摂るほうが良い、と思われます。
また、ホスファチジルセリンは、記憶力のパフォーマンスに有益と言えそうです。
下記エビデンスが、その説明になるかと思います。
ホスファチジルセリンは、
①アセチルコリン作動性シナプス機能の活性化 [7]
②シグナル伝達系への効果 [8] [9]
そして神経保護作用も有しています。
たとえば、こんなエビデンスはいかがでしょう。
スナネズミにホスファチジルセリン (200mg/kg,5日間) をあらかじめ投与してから、
一過性脳虚血処理して10日後に、
海馬CA1領域 (記憶には重要な領域です) のニューロンへの効果を調べた。
するとホスファチジルセリン投与群は、プラセボ群に比べ、ニューロンへのダメージが軽減されていた。[10]
あるいは、
虚血で過度の炎症を起こした脳組織に対し (免疫細胞が正常組織を攻撃するケース)、
ホスファチジルセリンはその炎症を抑制する働きをしています。[13]
ホスファチジルセリンは、神経成長因子受容体数を増加させるかもしれません。
神経成長因子 (Nerve growth factor: NGF) とは、
神経発達をうながし、抗酸化機能をはたらかせるタンパク質です。[14]
その働きは、NGF受容体 (海馬や大脳皮質のニューロンの表面に存在しています) に、
神経成長因子(NGF)が結合することで起こります。
ただし、
NGF受容体数は、加齢に伴い減少することが分かっています。
ラットの実験においてホスファチジルセリンは、NGF容体数を増加させています。[15]
これが何を意味するかというと、ニューロンの抗老化作用です。(繰り返しますがラットの実験です)
また、その論文には次の記述も見られます。
加齢によってニューロンの樹状突起のスパインの密度、ニューロンの数、大きさは減少してゆきますが、
老齢ネズミにホスファチジルセリンを (50mg/kg,24か月間) を投与した結果では、
そのような減少は認められなかった。[15]
ホスファチジルセリンの抗ストレス作用も見逃すことはできません。
ストレスを受けると体内では、コルチゾールが産生されます。
このホルモンの受容体は、脳 (とくに海馬) と腹部に多いことが知られています。
ストレスは心拍数を上昇させ、思考をめぐらせ、腹にはたっぷりと脂肪をためこませます。
コルチゾールの誘導も、その一因です。
過剰なコルチゾールの産生は、ニューロンも害します。
コルチゾールが海馬ニューロンの受容体を過剰に刺激し、
ニューロンの「興奮毒性死」 を招くからです。
「興奮毒性死」とは、
カルシウムイオンが細胞内に過剰流入することで、
ニューロンが過活動を起こし死に至るというメカニズムです。
しかし、ホスファチジルセリンは、コルチゾールの過剰産生を抑制するようです。
ウェイトトレーニングで、オーバートレーニングになった健常男性にホスファチジルセリンを (800㎎ /日) を摂取したところ、
コルチゾール発生メカニズムである視床下部-下垂体-副腎系に変化をもたらし、コルチゾール産生を低下させた。[16,17,18]
(ちなみに、ニューロンの興奮毒性死に対しては、高麗人参エキスに含まれる有用成分も有益です。その有用成分は、ニューロンのカルシウムイオンチャンネルに直接作用し、興奮毒性死を抑える、というエビデンスがあります。ご参考まで)
ホスファチジルセリンは、感情改善作用も有しているようです。
不安障害やうつ症状の改善し[20]、
幸福感や社交能力の上昇が認められた。[16,19,20,21]
ところで、脳に有益といわれるサプリメントに対する根本的な疑問は、その物質はほんとうに脳内に届くのか? というものです。
ホスファチジルセリンは、経口摂取においても、脳内移行性が認められています。[10]
では最後に
ホスファチジルセリンは、どのくらいの量を摂れば良いのでしょうか?
健常人は、一日100㎎ 以上の摂取が有効です。[22]
【結論】
脳の健康には、ホスファチジルセリン100㎎ を毎日摂ることが良いかもしれません。
多忙な方や受験生、頭脳労働者は、そこにイチョウ葉エキス120㎎ を加えて摂っても良いのではないでしょうか。
【注意点】
実は、サプリメント原料としてのホスファチジルセリンは、かなり高価です。
製造するのに手間がかかるためです。
大豆に含まれる「レシチン」をまず抽出し、
その「レシチン」に数パーセントしか含まれていないホスファチジルセリンを、さらに抽出する。
この工程がかなりの手間であり、したがってコスト高となってしまいます。
ですので、サプリメントとしての「ホスファチジル製品価格」も、
分量の多さに比例して、高価にならざるを得ません。
もちろん、分量が少なければ、販売価格を安くすることも可能です。
このシンプルな「市場原理」を、どうぞ含みおきください。
製品価格が安い、すなわち、含有量が少ない。
そこでホスファチジルセリンをサプリメントで求める場合、
【ホスファチジルセリン】の【実際の分量】を、
注意深く確かめることがあっても良いかと思います。
ここは大切なところなので繰り返しますが、
【ホスファチジルセリン】として、どのくらい入っているか?
率直に申し上げるなら、
【実際の分量】と【広告に書かれた分量】との間には【差】がないか、
を確かめることがあっても良いかな、ということです。
WEB上の商品説明を確認するだけでは、正確な分量を知ることはできないかもしれません。
(これはどんなサプリメント製品にも言えることです)
なぜならば、WEB上の説明文は、書き換えることもむずかしくなく、
しかも、たとえもし “実際とはちがった分量” をWEB上の商品説明に書いてしまっても、
法による罰則を受けにくいです。
ですから、少なくとも法の支配下にある【商品ラベル】を確認することが、より望ましいです。
では、商品ラベルに「ホスファチジルセリン〇〇mg」と書かれていない場合はどうするかといいますと、
メーカーに電話をかけ、
「『ホスファチジルセリン』としてどのくらいの分量が入っているか?」
と尋ねたほうが良いと思います。
探求者の皆さまのいっそうのご活躍を、心より、お祈り申し上げます。
[1] Kidd PM. 1999. A review of nutrients and botanical in the integrative management of cognitive dysfunction. Altern Med Rev 4:38-43
[2] Bruni A,Toffano G.1982. Lysophophatidylserine, a short-lived intermediate with plasma membrane regulatory properties. Pharmaco Res Commun 14(6):469-484
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